リチウムイオン電池の発火・廃棄対策 / 自治体一般廃棄物処理施設を例に

リチウムイオン電池による火災対策は、産業廃棄物処理施設と一般廃棄物処理施設で異なった対策が必要となります。

このうち、一般廃棄物分野については、収集・運搬時や処分時にパッカー車や破砕処理施設等で衝撃が加わった際に発火する火災事故等が多発しており、環境省が主体となり、各市町村向けの事故等防止対策について、令和2年度から検討を進めてきております。

目次

環境省がリチウムイオン電池事故防止対策をとりまとめ

環境省がリチウムイオン電池による事故等を防止するための対策として、「リチウム蓄電池等処理困難物対策集」を公表しました。

内容は、リチウムイオン電池等の流通・廃棄実態、電池由来の火災発生状況、電池起因の発煙・発火対策について、市区町村における対策事例を総合的にとりまとめたもので、自治体における先進的な対策事例の記述では、処理施設等における火災経験をもとに、具体的な対策措置を充実させているなどが参考となりました。

自治体による先進的な火災対策事例とは

環境省の対策集の中で特に興味深かった事項は、先進的な対策事例として挙げられた東京都府中市、武蔵野市、静岡市、新潟市における先進的な対策事例の部分であり、全てにおいて処理前のリチウムイオン電池の分別回収や、処理前選別の徹底に加えて、処理施設側においても、過去の火災延焼の経緯を踏まえた具体的な対策として、発火感知・延焼リスクの低減対策として、炎、温度等のセンサーの設置や、散水設備と組み合わせたシステムとしての対策がなされており、フェイルセーフの考え方にも合致する望ましい方向です。

リチウムイオン電池火災の延焼対策について

リチウムイオン電池対策は、排出段階、収集段階、処理段階のライフサイクル全般での対策は必要となりますが、中でも、破砕等の処理時点での「ゼロ」化は困難であることから、最後の砦として処理施設での効率的な火災延焼対策が重要です。


その際、従来型のシステムとして導入が進んでいる炎感知器などのセンサー系感知器に見られる弱点の克服が、現場の運用課題を踏まえたテーマとなります。

センサー系の課題とは、「現場条件を踏まえた誤検知の抑止が必要である。」ということに尽きます。

様々な機器の組み合わせによる運用がされる際、誤検知が多いと運用管理に支障をきたすことになるため、より誤検知の少ないシステムの構築や、設備の組み合わせをいかに作り上げるかが、最も大きな運用課題となっています。

発火対策として誤検知が少ない感知器(Spark Eye)

弊社のSpark Eyeは、確実なAI画像認識に加えて、現場条件に応じた誤検知を抑止する機能を兼ね備えており、現場発報や、消火システムとの連動した確実な火災延焼防止対策が必要です。

これまでも数多くの産業廃棄物業者・一般廃棄物業者に導入しており、好評をいただいております。

Spark Eye 導入事例や、性能、お客様の声、お得なIT導入補助金情報(約150万円補助)などはこちらの記事が参考になりますのでご確認ください。

AI 煙検知システムもまもなくリリース予定

廃棄物業者様からの要望で、ストックヤード等で火や火花が検知する前の煙の状態を瞬時に検知したいという声からしばらく開発を行ってきましたが、まもなくAI煙検知システムがリリースします。

これにより火や火花になる前の煙の状態を検知することで、廃棄物処理施設における総合的な防災システムの提供を目指しております。

AI煙検知システムの詳細につきましては下記よりお問い合わせください。

最後に

今回は環境省のリチウム蓄電池等処理困難物対策集に基づいたリチウムイオン電池の発火・廃棄対策についてご紹介いたしました。

処理施設ごと処理工程も設備も異なりますが、ご検討中の処理施設において、どのような対策が必要なのか、こちらにご紹介した他社の事例を参考に対策を進めてみてはいかがでしょうか。

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